第3回ビジコン-中臺ちかよ

中臺ちかよ

花から始まる わ(環)を創る 「いける」は 「いきる」 めぐる わ(和・輪) プロジェクト

《 事業概要 》

花やいけ花、日本文化に関心のある老若男女に気楽に花一輪から始める花のある暮らしを提案、華道という日本文化の保持や花屋さんなど関連する産業の発展に寄与する。流派横断のいけ花教室の運営、メンタルヘルス面で福利厚生として企業と業務提携、花器のリサイクル、レンタル事業、花屋の運営で収益を得る。

《 経歴・想い 》

●経歴

1986年損害保険会社入社

1999年5月、華道家元池坊入門 

2015年頃から 会社勤めをしながら、お友達数人にお花を教えることを始め、次に知人が主宰している劇団の研究生に教えたり、そこで知り合った三味線の家元との繋がりで横浜のギャラリーさんでお花を月一回教える活動を、どうやったら、全くお花に触れたことがない方でも簡単に、気楽にいけばなに接していただけるのかな?と試行錯誤しながら行ってきました。

2022年3月、いけ花の先生をやろうと決心し、36年近く勤めた損害保険会社を早期退職。

2023年6月准華督(最高職)免許取得。

2022年11月 京都にて池坊華道展 七夕に出瓶。

2023年2月から

「そこの男子、花をいけてみませんか」と題し男子向けのいけばな講座を鎌倉で開催中

●なぜ花を生けるのか

私は、損害保険会社で勤務する傍ら、会社を辞めたらタダの人になるのはいやだなぁという思いもあり、写真や陶芸、フラワーアレンジメントなどを習ってきました。

1999年3月、人としても尊敬できる素晴らしい飯田先生と出会い、華道家元池坊に入門し、いけ花の型のうつくしさや生けることの楽しさ、奥深さに惹かれお稽古を続けてきました。

そしてこのビジネスコンテストのシートを書くにあたって、なぜ私は花を生けるのかと言うことを自らに問いました。

師匠が素晴らしかったとか、いろいろ考えましたが、結局、単純に私は花が好きなのだということがはっきりとわかりました。

花の瑞々しさ、うつくしさに触れること、その花の一番いい表情はどこだろうと探すことが大好きです。

世の中がお花でいっぱいになったら、心穏やかな人も増え、争いも減って、それぞれの良さを認めあうことができる社会になるのではと想像します。

そして先日のコミュニティーの代表の関わりの中から、私は「文化と習慣を残す最上の生き方を目指す」と決めました。

 2012年11月、入門して11年、華道の先生が亡くなりました。

生前、先生は私が居なくなってもみんなでお稽古を続けてねと折に触れ話していました。

何十年も先生の側でお稽古していた先輩達はお花を辞めていってしまいました。

先生が亡くなった事は私も本当に悲しく心の支えを失ったと思いました。

でも、先生と生徒の私たちを繋いで来たものは何だったんだろう、簡単に辞めちゃっていいものだったのか?

何で、先生の言ったことをやろうとしないのか、ひどく悔しく怒りに似た気持ちがありました。でも辞めた人がいたので、私は続けたい!と思ったのだと気がつきました。だからこそ、素晴らしい先生が残してくださった、気持ちとか技術、連綿と繋いでくださった先人達のバトンを私のところで終わらせてはならないと思いました。池坊には560余年の歴史があり、たくさんの先生がいてバトンを繋いできてくださったからこそ今私が習えていると言えます。誰かお一人でも途中でいなかったらご縁はなかったかも知れません。

亡くなった飯田先生と現在、習っている坂井先生の師匠は亡くなった飯田先生のお母様でした。

現在習っている坂井先生と師匠の岡藤先生とのエピソードで印象的だったことは、昔、先生がお稽古に行くけれど理由は良く覚えてないそうですが、お花を生けることなく見学だけしていた時期が半年くらいあってそれに対して、師匠は「何で生けないの?」とは一言も聞かなかったそうです。

見守ることに徹した岡藤先生は、まるで、坂井先生の気持ちが、土から新しく芽が出るのをじっと心待ちに待つような感じだったのではないかなと思いました。

岡藤先生のお嬢さんの飯田先生も花芽をむしったところで花は咲かないし、やっぱり時期がこないとねとおっしゃっていた言葉が蘇ります。 

いけ花は単に花を生けることを教えたり学んだりするだけでなく、先生と生徒の人格と人格のふれあいもとても重要な要素だと言えると考えます。

●残したいもの

いけ花教室活動をして行く中で、コロナの影響で人が集まるイベントが減少し、私が開いていたいけ花教室活動も停止しました。

また、花屋さんへの影響も多大でした。私の場合、花屋さんに併設された教室スペースで長年お稽古してきましたが、花屋さんの売上げが減り、教室スペースを使え無くなるなどお稽古場所に困るようになり、華道展用のグレードのよいお花、特殊な花を見立てて買い付けてくれる花屋さんのチームが解体し、華道の先生と花屋さんとで数十年に渡って古典の華型をいける場合にはこういう花が必要だということを蓄積してきた知識や経験が無くなってしまったことはとてもショックでした。

それと、水仙は日本的な美しさを備えた花で、冬の寒い時にも花をつけてくれ、もうすぐ来ると知らせてくれる花なのですが花農家さんが高齢化で減っていると花屋さんから聞きました。

●伝えていきたいこと

 私はその時々のうれしい出来事も悲しい出来事(母や先生の死)も花と共に乗り越えてきました。花はうれしい時も悲しい時もそっと人に寄り添ってくれると思います。

亡くなった先生から言われたことで、印象に残っている言葉の一つに、花をいけることは「生けた人の今の物語を表す」というのがあります。

その時々の自分が感じていることを、花を使って心の中にあるものを表現する、物語ることは一種、心の癒やしに繋がりました。またお花の持つ生きたキラキラしたエネルギー を家に置くことによって空気感が変わることも発見しました。

 サラリーマンだったので家と会社の往復だけでなく、職場以外の全く違った人間関係があるということも毎週の愉しみの一つでした。

疲れていても仕事帰りにお稽古に行き、先輩達が持ってきてくださったお菓子やお茶をいただくことも楽しく、職場でのことなど話せたことはストレス解消になりました。

お花屋さんのおばちゃんにはお花をおまけしてもらったりして、よいお花を使って、お稽古を続けられて、お免状もいただけるように育ててもらったと心底思っています。

本当にありがたい存在でした。

花をいけるだけでなく、人と接する時の機微や、ちょっとした物の言い方、伝え方などもお稽古を通して学びました。さまざまなことがお稽古を長く続けられた一端になっていると感じます。

生徒さん達には、おかげさまであったり、枯れた花を紙に包んで感謝の気持ちでさよならすることなどもお稽古を通じて伝えて行きたいです。

 日本の文化であるいけ花(華道)を通して花を楽しむ人が増え、花が身近になり、華道を次世代に継承していくことやコロナの影響で打撃を受けた花に携わる花屋さんや花農家さんはもちろん、いけばなに関連する道具の花ばさみについても継承者がおらず、名工の技が途絶えることも危惧(魂を込めて作られたものに宿るエネルギーに触れるということも大切だと考えます。)するところであり、いけばなに関連する産業にも貢献できたらと考えています。

●華道の現状

近年,華道人口の減少は著しく,各流派の所属会員も高齢化していいます。 さらに若い世代の入門者数は激減しており,華道文化継承は困難な状況だとも言えます。 その理由として,華道界を横断する団体があまりなく,他流 派との交流の希薄化,閉鎖的な活動範囲となっていることがあげられますので、この事業によって華道界の状況を変えることができるのではないかと考えています。2025年1月に華道が無形文化財の指定を受けました。それも衰退しないための方策ではないかと感じています。

まずは気軽に花を楽しむことが日常になれば、華道人口の裾野が広がり、周辺の産業にもいい影響を与えることができると考えます。

●華道に使う道具

花器のレンタル業については、華道の先輩が病でお花を続けられなくなり、よかったら写真を送るので好きなものを使ってくれないか、とお電話をいただいたことがきっかけで自分の他に華道をやる人がいなければ、やむなく大事に使ってきた物も粗大ゴミ、という悲しい結果になってしまうということです。

昨年は、会社の先輩が「中臺さんが、お花教えてるって聞いたから、花器を使ってくれないかしら」とわざわざご連絡をくださいました。状態もよく、いい職人さんによって作られたものをお譲りいただきました。 花器は決してお安くはないし、華道展に出品する際には新しく購入する事が多く、さらに出品料やお稽古のお花代などもかさむので、負担が少なく良いものを使え、リサイクルできれば、利用価値が高いと考えています。

また、剣山も重いので軽量で扱いやすいものを開発できたらもっと気軽に本格的ないけ花が楽しめると考えています。

●相互支援の場を作る

女性は職場以外でも趣味や地域で仲間を作り易いと感じます。会社で秘書業務を行っていた経験から、男性はなかなか職場以外の人間関係を築く場がなく、メンタル的に逃げ場がないのも気になり、メンタルヘルスという面からもお稽古を通じ、気分転換や心を整えることができる、いけ花は有用ではないかと思います。この点については福利厚生ということで企業と業務提携しメンタルの予防またはメンタルからの復帰に効果があると考えます。

 そして、みりすの相互支援の考え方を取り入れて、学校や職場など環境でできた人間関係だけではなく、真の仲間がいる環境をいけ花を軸に生み出していきたいです。

"

エントリー一覧に戻る →